ここ数ヶ月、ギターなどの楽器を初められたり、また弾き始めた方が多いと聞いております。
実際に当店にもそういったお問い合わせが増えております。
楽器人口が増えるということは、音楽を楽しむ方が増えるということで単純に嬉しい限りでございます。
自宅で楽しむように新たに機材を導入するなど、新しい生活様式を模索されている方もいらっしゃるように感じます。
そんな中で、店頭で非常に多いお問い合わせの1つが・・・
「家で使えるアンプない?」
でございます。
エレキギターを筆頭にアンプで音を増幅して演奏する楽器にとって、本体同様アンプは非常に重要な役割を担っております。
拘りたい方が多いのは事実かと存じます。
しかしながら、日本の住環境では音量の問題がございます。
一緒に住んでいる家族だけではなく、近隣の住民の方にまで影響の出てしまうシビアな案件。
主観の部分も多くを占めるのですが、何よりも目に見える指針が設けにくい事柄で困っておられる方も多いのではないでしょうか。
そこで、当店には実際に測定器がございますので、数値化してみました。
※ご利用になられる環境や時間帯で大きく変わってまいりますので、「あくまで参考レベル」とご理解いただき読み進めていただけますと幸にございます。
まず、数値化と申しましても目安がわからないと・・・となるかと存じますので、ざっくりと目安を挙げさせていただきます。
<静かな状態>
ヒソヒソ声・木の葉が風で揺れる音:20db
<普通の状態>
閑静な住宅街のお昼間・図書館内:40db
騒がしくない事務所・家庭用クーラーの室外機:50db
<うるさいなと感じる>
トイレを流す音・会話・アイドリング音・洗濯機の音:60db
セミが鳴く音・活気のある教室など:70db
<長時間は我慢が難しい>
地下鉄の車内・布団を叩く音:80db
犬が吠える音・作業中の工場内・カラオケ店内:90db
<我慢が難しい、異常をきたす恐れがある>
地下鉄の構内・電車が通っているガード下:100cb
飛行機のエンジン音・近くに落ちた落雷:120db
と言われております。
さて、今回の測定環境ですが、まず何も音を出していない空調がかかっているだけの状態で
「42.4db」。
測定は、アンプから3m離した所でおこないました。
[計測方法]
・使用したギターは当店で試奏用として使っておりますFender Japanのストラトキャスター。
・測定方法は全てアンプに直挿しでエフェクターは使用しておりません。
・スタンドに立てたギターを開放で6弦全てを弾いて計測
それでは具体的に見ていきましょう。
●Roland JAZZ CHORUS JC-120(出力:120W/トランジスタ)
1.[VOLUME-5/TREBLE-5/MIDDLE-5/BASS-5]・・・・83.8db
2.[VOLUME-2/TREBLE-5/MIDDLE-5/BASS-5]・・・・72.3db
●Fender Blues Jr. (出力:15W/チューブアンプ)
1.[VOLUME-6/TREBLE-6/MIDDLE-6/BASS-6/MASTER-6]・・・・84.0db
2.[VOLUME-2/TREBLE-6/MIDDLE-6/BASS-6/MASTER-6]・・・・72.6db
●Marshall DSL1 (出力:1W/チューブアンプ)※今回は0.1Wは使っておりません。
1.CLEAN [VOLUME-5/TREBLE-5/MIDDLE-5/BASS-5]・・・・72.4db
2.ULTRA GAIN[VOLUME-5/GAIN-5/TREBLE-5/MIDDLE-5/BASS-5]・・・・84.1db
今回、サイズ別に3台のアンプにて計測してみた所このような結果となりました。
想像以上に音量が出ている事がわかります。
検証では、物音を立てるとその音も拾ってしまいますので、スタンドに立てた状態で弦を弾くだけで計測しておりますので、実際にピックなどで強いアタックで弾き続けるともっと大きなdb数になるのではないかと思われます・・・。
家の外にどれぐらいのdbが漏れ出ているのかを測る為、お店の外からの測定もしようかと試みたのですが、商業施設でございますので別の音が入ってしまい正確な数値が計測できないと判断し断念いたしました。
より参考になる数値ではないことが残念ではございますが、「うるさいなと感じる」「長時間は我慢が難しい」音量が出てしまっている可能性があるというのは衝撃的な事実かと存じます。
演奏される環境の防音性や、隣家との距離なども影響するでしょうから一概に言えることではないのですが、ご自宅で思う存分音量を出すというのは中々難しそうという結果でございました。
ヘッドフォンがつなげるものや消音ができる物が現実的なのかもしれませんね。
今回の検証が自宅用のアンプをお探しの方の参考となれば幸にございます。
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