年の瀬になると様々なランキングが発表され始めるわけですが、先日、2019年度の当店におけるアンプの売れ行きを調べる機会がございました。
まだ11月ですので、なんとも中途半端な時期であることは否めないのですが・・・
今回、普段とは違う切り口で数字を取ってみましたら、興味深い事が顕著になって参りました。
昨今、アンプを取り巻く環境というのは、決していいとは言えない状況が続いており、こういった状況を体感的に店頭で感じている私共からしても意外な展開が多くあり、変化の最中にいるのだなと思った次第でございます。
※あくまで、当店の売れ筋統計ですので、その点ご理解をお願い致します。
それでは、具体的に事例を挙げていこうと思います。
数が売れているメーカーの上位は「Marshall」「Fender」の2大メーカーでございました。
特筆すべきところは、この2つのメーカーに関しましては、「いわゆる大型アンプも一定数売れている」という事でございます。
この辺りは、たとえ時代に逆行していようとも、【欲しいと思う、思わせることが出来る】老舗のブランド力という所でしょうか。
それ以下の順位からは、激戦の様相が見られるようになります。
以下、「VOX」「Roland」「YAMAHA」と続きます。
これらの内訳を見ますと、ほぼ小型アンプ、特に電池で使える・卓上に収まる程のコンパクトなものがほとんどでございます。
しかも、ちょっとしたエフェクターが搭載さていたり、外部音源を入力できたりと、エフェクターなどを繋がなくてもすぐに使えるものや、楽器のアンプのみではない使い方も出来るものに人気が集まっている傾向が見られます。
特に、YAMAHAにおいては売れ数のほとんどが「THRシリーズ」という同一シリーズで占められているというのが現代を象徴しているのかもしれません。
THRシリーズは、店頭に入ってきても滞在期間が本当に短く、すぐに売れてしまう印象で、本当に人気の高いモデルでございます。
こういう人気シリーズを要しているメーカーは、客観的に見てもやはり強い。
今後は、THR-IIという新シリーズがどういった形で参入してくるのか?
というのも注目のポイントですが、中古市場にある程度の数が出回るのは2020年以降になるかと思いますので、こちらも来年以降注目していきたい所です。
ここまでは、特徴的ではあったものの、ここ数年の例年通りの形だったかもしれません。
しかし、2019年に入り時代は動いたのだなと感じさせられる出来事がございます。
それは、台数は少ないもののKemperがランキング方式によっては、「VOX」「Roland」「YAMAHA」を抑えて上位に入ってくるという事実でございます。
商品が発表され、話題となり、ひどく注目されていた時代を経て、実戦で使う方が増え市場に流通し始めているということは、もう珍しい商品ではなく、レギュラーの商品となりつつあるという証明かもしれません。
ユーザーの間で、市民権を得たという風に書いても最早過言ではないのかもしれません。
まだ、2019年が終わった訳ではないので、まだまだ入れ替わる可能性もありますが、リアルな数字として老舗のメーカーに新興メーカーが迫る勢いを見せてきているというターニングポイントとなる時代にいるのかもしれないと思うと感慨深いものがございます。
今年も後1ヶ月、最終的にどういったランキングとなるかはわかりませんが、間違いなく新たな動きの最中にいるのだなと思います。
2020年もどうなっていくのでしょうか。
有名な機種やヴィンテージなどが人気を取り戻すのでしょうか。
新たなメーカーが勢力図を塗り替えてくるのでしょうか。
来年以降も、動向から目が離せないジャンルでございます。
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