IbanezとMaxon。どちらも日本の老舗エフェクターブランドとして有名で、ここから数多くの名機が生み出されました。
しかし、楽器店で2つのブランドのエフェクターを見比べると、「あれ?見た目一緒じゃん・・・」と思ったことはございませんか?
Ibanez TS-9 とMaxon OD-9など、モデルによればメーカーロゴなどのステッカー以外は外観がほぼ一緒の商品を発売している上記ブランド。
その秘密と2大ブランドの関係性とはどういったものなのでしょうか。
元々はOEM製品だった?
MaxonとIbanezの関係は、OEM生産から始まります。
Maxonを運営する日伸音波製作所は1966年に創業し、1969年から他ブランドのエフェクターのOEM生産を開始。その頃にIbanezを運営する星野楽器とも契約が交わされており、そこから2大ブランドの関係がスタートしたのです。
1971年に日伸音波製作所の自社ブランドであるMaxonが誕生します。その後、元々海外向けに販売されていたIbanez名義のエフェクター(日伸音波製作所製作)と同じ仕様のエフェクターをMaxon製品として日本向けに販売を開始。
つまり、70年代の当初はIbanezとMaxonどちらも製作はMaxonが行っており、Ibanezは海外向け、Maxonは日本向けとして同じエフェクターを同時に販売していたのです。
2000年代初期には星野楽器がエフェクターも自社で製作するようになり、MaxonとIbanezは袂を分かちましたが、現在でも同じ外観のエフェクターが存在するのはその名残というカラクリです。
Ibanezの代表的エフェクターであるTube Screamerも元々はMaxonがOEM生産しておりました。
同仕様のエフェクターとしてMaxonからも販売されておりましたが、Ibanez製の方が名機として名を残すことになったのは、海外版であるIbanez製をスティーヴィー・レイ・ヴォーン氏が愛用したことで一躍有名になったからだと思われます。
Ibanez製とMaxon製の見分け方
2000年代より以前のIbanez名義のエフェクターはMaxon製ということになりますが、Maxon製とIbanez製の見分け方はあるのでしょうか。
TS-9などで有名なコンパクトシリーズは、電池ボックスの蓋で判別ができることで有名です。
電池ボックスの蓋の裏側を確認すると、MaxonもしくはIbanezの刻印がされております。そこに刻印されているのが製作を行ったブランドということです。
すぐ蓋が外せるタイプの電池ボックスではない仕様のエフェクターでも、Maxon製作のものは基盤にMaxonのロゴマークが記されていたりしますので、年季の入ったIbanezのエフェクターをお持ちの方は、ぜひご確認をしてみていただきたいです。
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エフェクターユーザーであれば一度は疑問に感じたことがある今回の謎。その真相をお分かりいただけたでしょうか。
楽器店を訪れた際、Maxon製品とIbanez製品が並んでいた際は、その背景を考えながら見てみると面白いかもしれませんね。
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