あわや大惨事?!~接続間違いの事件簿~ 

ネットの膨大な情報の中にも多くの事例や情報が記されておりますが、電子楽器を趣味とする人は切っても切り離せないのが「電源」の問題ではないでしょうか。

この部分は規格が統一されておらず、形状も違えば、数字も違う、仕様も違う・・・と少し本腰を入れて自分から情報を集めて勉強しないとわからない部分でございます。(調べてみるとそこまで難しい話ではないのですが)

せめて、電圧ごとにプラグの形状だけでも統一してくれれば、事故も起こらないのに・・・と思うのですが。
これだけ商品のバリエーションが増えてしまっていると、それもまた難しいのかなと思ったりします。

日常生活の中で、多くの電子機器が身近にあるのですから、小学生ぐらいから学校で電圧と電流の関係や、電子機器の電源の供給の仕方を教えればいいのにと思わずにいられません。
理系や技術というような科目で勉学としてというよりも、
「このゲーム機は〇〇ボルトだから、このアダプタはつかえないね」とか、
「これはセンターマイナスだから、これに対応してないね」みたいな感じで、一般常識のように教えてくれればいいのではないか。

ちょっと、話がそれてしまいそうなので、本筋に戻します(笑)

それでは、本題ですが、今回のこちらのテーマは
「アダプタの選び方や適合方法をどうやって調べるか?」
ではなく、
【実際に今までに体験した失敗談とその症状】
を書き記そうかと考えております。

というのも、アダプタの選び方などは結構探すといっぱい出てくるんです。
しかし、(当たり前ですが)わかっていて機械が壊れる可能性が高い適合していないものを試す人はいないわけでして、それらをまとめて報告している人もまたいないのでございます。

もちろん、私としても故意に実験の気持ちでおこなって、不具合を起こした訳ではなく、「ケアレスミスや無知」によって結果として壊してしまったのですが・・・
「どれだけ危険なことでどういう症状が起こってしまうのか」
を知っていただくのは、今後の参考になるのではないかと思いたち、書こうと思った次第でございます。

ではでは、本題。具体例を挙げていきます。

1.ACA対応商品と気付かず、PSAアダプタを使用してしまった場合

1-_MG_9978

<結果>
ほとんどの場合で音は出ますが、LEDが極端に暗い、点灯していない?ぐらいに思う個体もある。

「あれ?LED切れてしまってるわ~」

と思ったら、アダプタを間違っている可能性が高いです。電池に切り替えてみて下さい。点灯が強くなりましたらLEDが原因ではなく電源が原因です。外傷で割れるなど以外でLEDはそうそう壊れないものです。(絶対に壊れないわけではないです!)

2.極端に電流の少ないアダプタを代用した場合
2-_MG_9980-001
<結果>

電源が入らない、もしくはLEDや画面の点灯はするが挙動が不安定になる。断続的にノイズのようなものが入り続ける。メモリー機能があるのに、記録出来ない。音が極端に小さい。

上記のような症状が出ましたら電源の確認をして下さい。
間違って隣のやつを挿してしまっていた・・・なんてこともあるかもしれません。
こちらはまだ、軽症といいますか、故障の可能性が比較的低い状況かと存じます。(絶対壊れないということではありません!)

3.ボルト数が大きなものを誤って使用してしまった場合

<結果>
一瞬スイッチが入ったかと思うと、すぐに切れてしまい、もう電源が入らなくなる。
火花が出ることも、筐体などが非常に熱を持ち高温になることもあり、こちらが一番深刻なダメージと危険性をはらむ状況となります。

症状としましては、過電圧で中の電子機器が壊れる、焼切れる、受けきれずに熱を発するという状況と判断出来るかと思います。
うっかりでやってしまうことに関しては、もうどうしようもないかと思うのですが、
「違うけど使えるかな~」
というようなことでボルト数が大きいものを接続するのは絶対に止めて下さい。本当に危険です!!

《番外編》
①特殊な端子で規格が合うから繋いでみた場合

5-_MG_9984-001

<結果>
内部が不具合を起こし、電源が入らなくなる。

MIDI規格などでなく、ピンの数が特殊、形状が特殊なものでも、たまに差込口が合うものがあります。
「形状が変わってるから、専用の規格で代用できるのだろう」
と思われがちですが、対応していないケースもあります。
商品のホームページに使ってはいけない一覧が掲載されていたり、よくある質問のコーナーなどに掲載されていることが多いので、
「とりあえず試してみる」
の前に、商品詳細を調べることをお勧めいたします。

②スピーカーケーブルを間違ってSPEKAER OUTではない所に接続して電源を入れた場合

<結果>

ヒューズが飛んだり、真空管が壊れる、基盤が焼き切れる、火花が出て煙が出る(最悪のケース炎上する)

過去に実際に起こり、発生原因から症状、内部の状況までをリペア業者様に見ていただいたことがあります。
最初は
「なぜ、そのような重大な事態を招いたのか?」
と疑問の部分が多かったのですが、不良箇所から辿っていくと
「SPEKAER OUTに繋いでいなかったのではないか?」
という説が浮かび上がりました。

キャビネットに接続するだけという作業で、普段使い慣れているものだと見ずに早くセッティングがしたいという気持ちが勝りパパッとやってしまうところかと思うのですが、チューブアンプだと重篤な被害が起こる箇所でもありますので必ず確認して繋ぐようにしていただきたい。

内部の写真をまとめて見せていただいたのですが、それは悲惨な状況でした。
真っ黒に焼け焦げた基盤、溶けているパーツ・・・
「こんなにも壊れてしまうのか・・・」
という状態でした。本当に危険なんだと痛感いたしました。

さて、いかがでしたでしょうか。
予想以上の結末を迎えるんだなと思われた人が多いのではないでしょうか。
上記のような失敗談が、皆様の今後の参考となれば幸いに存じます。

他にも、色々とあるのですが、挙げだすとキリがございませんので今回はこんな所とします。

最後に申し上げておきますが、とにかく正規品を使うというのが一番安全で間違いがございません。
正規品がない場合は、「汎用品でもその商品に対応している事を確認」してからお使いいただくことが鉄則です。

しかし、どうしても、汎用品もない・・・となった場合は、電圧・電流を中心に合致しているかを調べて調べて問題が無いことを
判断してからとするようにお願いします。

「間違って繋いでしまったけど、今も動いているし・・・」
は本当に運が良かっただけです。

壊れる時は、本当に一瞬にして壊れます。それはもう、「あっという間」です。
修理費用は予想以上に高いもので、後悔先に立たずでございます。アダプタを買うよりもほとんどのケースで高くつきますので、何卒、お気をつけ下さい!

アンプ・ドラム担当:土内

 

 

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