【伝統と機能性との葛藤】1950s、60s、70sの違いって? 

少し前にはなりますが、Fenderから新しいシリーズが発表されましたね。
その名も「American Original」シリーズ。

’50s,’60s,’70sの仕様に分けて、「当時のサウンドを再現する」との事。
今まであったAmerican Vintageシリーズをベースにしながら、
各年代の代表的なサウンドに絞る事で、
使いやすさとコストパフォーマンスを向上させたシリーズになっています。

American Vintageシリーズは、1956,1957,1962など、
細かい年式の仕様までを再現しているのが魅力なのですが、
「シリーズが多すぎて、どれがどう良いのかよく分からへん…」
といった声は確かに店頭でも聞いた事がありました。

各年代を3つに分けて、よりユーザーが選びやすいような配慮だと思うのですが、実際に50年、60年、70年で何が大きく違っているのでしょうか?
全部調べていくと膨大になるので…
今回はFender社の代表的なモデルである、ストラトに絞って調べてみました。

●ネックグリップの違い

50s…Vシェイプ
60s…Cシェイプ
70s…Uシェイプ

●ピックガードの違い

50s…ネジが8点止め 1プライ
60s…ネジが11点止め 3プライ
70s…ネジが11点止め 3プライ

●材の違い

50s…メイプル指板 アッシュボディ
60s…ローズウッド指板(スラブ) アルダーボディ

70s…メイプル/ローズ指板 前期:アルダーボディ 後期:アッシュボディ(ラージヘッド、ネック3点止め)

細かい変更点は各年代でありますが、大きな違いは上記の辺りになります。
ここから年代によるピックアップの違いや材の個体差によって、
鳴りやサウンドが変わってくるので、そこが面白みでもありながら、悩んで選びきれないポイントでもありますよね。

ネックグリップなんかは演奏のしやすさにも直接影響してくるので、
もしストラトをお探しされている方がいれば、参考にしていただければ幸いでございます。

最後は少し話が逸れますが…
新しいモデルは年々発表されていますが、エフェクターなどの機材と比べて、ギターやベースなどは現代向けに作りすぎると、その仕様が「改悪」と捉えられがちな印象があります。
すぐに評判が広がる時代でもありますし、新しいモデルの発表って本当にハラハラするんだろうなと、ふと感じました。

製作者:「伝統的な仕様はそのままで、今だから出来る商品を…」
プレイヤー:「余計な事せんでええで…」

これからもこんなせめぎ合いが続くんでしょうね。

 

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