ここ数ヶ月、お陰様で多くのアンプを仕入れさせて頂きました。数が増えてまいりますと、大きなものもございますので展示するに際しましてもストックするに際しましても、あちらへこちらへと運ばないといけないわけでございます。
自宅練習用のような小型で軽量のものでございましたら、そこまで大変ではないのでございますが、真空管搭載アンプ、高出力のアンプとなりますと軽いものでも10kg以上となってまいります。
20kg以上あるものも多く、精密機械でもございますので慎重に動かさなければならずなかなか大変な作業でございます。
キャビネットなどキャスターがついているものを見ますと
「全部のアンプにキャスターをつければいいのに」
などと思うこともしばしばございます。
大型、高出力のアンプとなりますと、大きな会場で使う事がほとんどであり移動もつきものでございます。(自宅でお使いになることは少ないでしょうから)
では、「なぜにキャスターはついていないの?理由はあるの?」
となりませんか?
そう思い調べてみたことがございます。
予想としまして、
「大きな音量が出るので振動で倒れる危険性がある」「重すぎてキャスターが壊れる」
なんて所かなと当時は思っていたような気がいたします。
実際の理由はと申しますと、
「低音を稼ぐ為」
というのがほとんどではないでしょうか。
音の伝わり方は底面の設置面積が多いほど出やすいという特性があります。(他にも安定した足場で、アンプのバックパネルや設置する箇所の背面の関係など様々な要因はあるのですが)
このような音の伝わり方の特性を活かす為にキャスターを付けないという選択があるのでございます。
「もっと低音が欲しいんだよなぁ」
と思っておられる場合、キャスターがついているのでしたら外してみるのも方法の一つかもしれません。
少々荒っぽい方法ですが、アンプを縦向きに置いている方を見たことはないでしょうか?
あれもキャスターや足ゴムで浮いている部分を減らし設置面積を増やす為の一つの工夫であったりいたします。
他にも、「ステージを広く使う為」といった理由も聞いたりします。
以前お世話になったバンドの方はLIVE中にアンプの上に乗り飛び降りるというパフォーマンスを行っていたのですが、
「より高い所から飛ぶ方がかっこいいやん」
と仰られてアンプを縦に置いておられた方もいらっしゃいましたが(笑)
この方法は真空管を搭載していないトランジスタアンプでしか使えません。
真空管を搭載しているアンプは真空管がささっている向きに対して上下が決まっておりますのでそれを無視して底面を変えるというのは危険な行為なのでございます。
トランジスタアンプでもアンプに対して良い事という訳ではないのでお勧めとは言えませんが(笑)
また逆にお持ちのアンプで、
「低音が出過ぎているなぁ~」
と感じておられるのでしたら、キャスターをつけてあげると持ち運びも楽になりますし不満の解消につながるかもしれません。
置き方一つで音の質が変わりますので、低音や音抜けについてお悩みの場合は上記の方法を試してみられるのもいいかもしれません。
お気軽にコメントしてください。