覚えていますか?中古楽器の危機!! 

4-IMG_3897

少し前に人と待ち合わせる機会がございました。
先方が「少し時間に遅れるかもしれないので」というので大型の書店にて待ち合わせる事となりました。

私は数年前から趣味で熱帯魚を飼っておりまして。
久々に大きな本屋さんに来たものですから、最近の熱帯魚事情はどうなっているのか?と関連雑誌を立ち読みしておりました。

初心者の頃は、この手の雑誌や飼育本などを嬉しげに読み漁ったり買ったりするものなのですが、ある程度自分なりの方法論が見つかると読まなくなります。(まぁ、この辺は楽器の教則本にも似たところがあるかもしれませんね・・・)

観賞魚雑誌というのは、新しく開発された品種や発見された珍しい種類の生き物、季節的に人気のある企画などが紹介されており、趣味分野の読み物らしくそこまでセンセーショナルな記事というのはそうそう無い物なのです。

しかし、今、観賞魚界を揺るがす大きな問題が起きており紙面からでも騒然となっているのが分かるほどの緊急事態であるようでした。

興味の無い方が多いでしょうから、詳細までは書きませんが(笑)
その筋の人からしたら非常に人気のある観賞魚で、(一度は飼ってみたいと思うような、ある種憧れとされる品種)が購入・販売・飼育禁止となる可能性が出てきている事が原因でございました。

もちろん原因があって、国が取締りに動くわけですが、当然賛否両論は出るわけです・・・。
そして、この騒動を見ていると約10年ほど前に起こった【中古楽器の危機】を私は思い出しました。

若い世代の方はご存じないかもしれませんが、

「PSE問題」

覚えていらっしゃいますでしょうか?

1-IMG_3894
電気用品安全法に基づいた表示「PSEマーク」が付けれられていない電気用品の売買を認めないという法律が発端となった騒動でございました。

一見すると、「安全な商品だけが市場に流れ危険性の高いものは人の手に渡らなくなるといういい法律じゃないか」と思われるのですが解釈による点で様々な見方や規制が出来るという所から大きな問題へと発展していきました。

中でも、我々に一番大きな衝撃を与えたのは「中古楽器も規制対象」であるとされた事でございました。

アンプなどを筆頭にヴィンテージ楽器がもう購入できなくなってしまう・・・

2-IMG_3895

当時20代前半だった私は、
「あぁ、自分はもうヴィンテージの楽器を手に入れる可能性すら失うかもしれないのだ」
と非常にショックを受けたのを覚えております。

そんな時、有名ミュージシャンの方々が立ち上がり署名活動や反対運動を起こし多くの人に働きかけ

「ヴィンテージという価値や重要さ」、「後進の若い世代に憧れを実現させる機会の確保」

を訴えかけ最終的に法律を動かしました。

あの頃は自分が将来、中古楽器に携わる仕事に就いているとは夢にも思いませんでしたが、あの反対運動が無ければ中古楽器店という職種すらなくなっていたのだなと思うと何とも言えない気分になります。

当時も、<楽器をやっていない人>、<中古売買に携わっていない人>からしたら何という事はない問題だったのかなぁと想像すると、今もヴィンテージ楽器が楽しめるのは運が良かっただけなのかもしれませんね。

 

お気軽にコメントしてください。

内容に問題なければ、コメントを送信してください。
コメントは承認後に公開されます。