当店は中古楽器店でございますので、「買取について」のお問い合わせが多くございます。
先日もあるお客様よりお問い合わせを頂きました。
「新しく買い替えるから、〇〇というアンプを売ろうと思っているのだけど」
お問い合わせを頂きましたら、そのアイテムの状態や付属品などについて当店からもお伺いする点がいくつかございます。
今回の件で、お客様が一番気にされた所は
「実は、ネットが破れているんだよね・・・」
という点でございました。
外観上にダメージがございますので、残念ながら査定にも影響してしまうのですが・・・
しかし、話は意外な方向に進んでいきました。
「ところで、ネットが破れていたら音に影響あるのかなぁ?」
「前々から気になってはいたものの、誰かに聞く機会も無くて。」
とお客様は仰られておりました。
さて、「スピーカーネット」にはどういう役割があるのでしょうか。
あまり考える事のない事ですが、確かにほとんどのアンプには金属製の物、生地タイプの物、素材は違えどネットが付いております。
皆さん気になるところはやはり「音」についてではないでしょうか?
何かしらサウンドに影響を与えているのか?
答えは「Yes」。
与えているのですが、意外や意外にいい方向にではございません・・・。
このあたりは、ギター用やベース用のスピーカーよりもオーディオ系のスピーカーに造詣の深い方の方が詳しいかもしれませんね。
音の伝達は、振動によるものでございます。
入力された電気信号を音波として再生させる仕組みな訳です。
スピーカーを震わせて、その振動を空気中に音波として放出することによって
音が伝わるのです。
スピーカーネットは、音を発生させる装置(スピーカー)と聴く側(人の耳)の間に挟まっておりますので、その振動の間に障害物として存在することになります。
では何故、わざわざ音が悪くなるようなシステムを組み込んであるんでしょうか?
それは、【保護の為】に他なりません。
スピーカーユニットは、我々が思っているよりもとても繊細な精密機械でございます。
少しの接触や衝撃で破損してしまうそうです。
それだけデリケートな機器だからこそ、むき出しに設置することが出来ないのです。
例え少々の音抜けを犠牲にしてでもネットを張っているのでございます。
オーディオ・スピーカーではコーンがむき出しのデザインのものも見かけると思いますが、演奏用のアンプに関しましてはほとんど見かけません。
それは、LIVE会場へ、練習スタジオへ、レコーディングへ、パーティーへ・・・などなど、様々な場所に持ち運ぶ事を想定されているからでしょうか。
スピーカーネットはサウンドを向上させる為にあるわけではなく、耐久性を上げる為につけられているのでございます。
「何かしら、音について良くなるような意味があるんじゃないか?」
とすべての事柄に対して勘ぐってしまうのは演奏者の悪い癖かもしれませんね(笑)
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