最近、クラリネットの値段が高騰しつつあるのをご存知ですか?
理由は主に「木材不足」です。
ギターやベースにおいても、ハカランダが輸出禁止により手に入らなくなったり、エボニーの価格が高騰したりしていますが、クラリネットも同じ状況にあります。
クラリネットは木管楽器に属し、一部のモデルを除き、「グラナディラ」と呼ばれる、アフリカン・ブラックウッドという木材で作られています。
グラナディラは「硬くて丈夫な木材」として、楽器以外にも様々な用途に使用されましたが、成熟までに60年以上、長ければ100年(!)かかるそうで、伐採に対して成長が追い付かず、価格が高騰してしまいました。
そのため、良質な材料が使用されている中古のクラリネットも人気が高騰しているのです。
『では、このまま作り続けると、豊かな響きが魅力のグラナディラ管のクラリネットは無くなってしまうのか。』
もしかしたら、ハカランダのようにグラナディラを生産しているアフリカから輸出ができなくなり、製造が難しくなる、なんてこともあるかもしれません。
しかし、メーカー側もただ高騰する木材を使用するだけではなく、対策として新素材を開発し、クラリネットの製造を行っています。
例えば、クラリネットメーカーの代表格「Buffet Crampon」は「グリーンライン」という新素材を使用した新たなシリーズを発売しています。
グリーンラインの新素材は、粉末状にしたグラナディラとカーボンなどの素材を配合したもので、より密度が高く、木部の変化も少ないため、使用開始時から高品質なサウンドを楽しめます。
また、密度が高いので、「割れる可能性がない」ということも長く使用するにあたって安心ですね。
サウンドはやや異なりますが、グラナディラ製も新素材製もそれぞれに大変魅力があります。
楽器の購入を考えておられる方は、好みのサウンドがどちらであるか、ぜひ試してみてください!
最後に。
地球から「木」が少なくなっていることは、ニュースはもちろん、日々の生活の中でも感じることだと思います。
でも、自分の使っている楽器が「木製」とは分かっていても、そんな状況にあることは、あまり知る機会がないかもしれません。
もしもクラリネットがお近くにあれば、ちょっと眺めてあげてください。
今どんどん少なくなっているグラナディラでできているかもしれません。
いつもより少し愛着が湧きませんか?^^
Qsicも中古楽器店として、限りある木材が使用された楽器を未来につなげる役目として、大切に販売させていただきたい、と感じる次第です。
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