低い方がいい?!高い方がいい?! 

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近頃、違和感を感じる事があります。 それは、何かと言いますと・・・

「ベースの弦高」

についてでございます。

≪私の周辺やご来店頂いているお客様との話の中だけですが≫
という前提があるのですが・・・

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「とにかく低く」

というご要望が非常に多いように感じます。
もちろん、人それぞれ感じ方も違いますし、数値で言い合っている訳でもございませんので 微妙な認識の誤差というのはあると思うのですが。

さて、弦高が低いことによるメリットというのは一体どういう事なのでしょうか?

最も多い理由は「フィンガリングしやすくなるから」ではないでしょうか。

弦高が低くなることによって、指板から弦までの高さが単純に小さくなりますので押さえる事に要する力が少なくて済みます。
そして、おのずと弦にかかるテンションが低くなりますので押さえやすくなるという考え方です。

また、非常に細かいコンマレベルの時間ではありますが押弦に要する時間も短縮出来ると言われています。
速弾きをされる方が弦高を非常に低くするのはこのタイムロスを出来る限り減らす為であると言われています。

他にも、色々と理由はあると思うのですが上記のような演奏性の向上を目的としている事が殆どだと思います。

が、メリットがあるということは、当然デメリットもあるのではないかという点ですよね。
そうなのです、残念ながらデメリットも存在するのです。

デメリットはと言いますと・・・ テンションが低くなることによって、

≪弦振動が大きくなることにより次の動作にタイムロスが出る≫
≪歯切れの良いサウンドや、アタック感を出すのが難しい≫

というのがあります。
BPMの早い楽曲を主に演奏されている方などは経験がおありかもしれません。
テンションが低く、弦振動が大きくなると速い曲は弾きにくくなります。

弦の反応が遅いという表現で伝わるかは難しい所なのですが(笑)
ツーフィンガーで弾いていると指が引っかかったりもつれたり、ピック弾きではアタック感を出すのに苦労したりします。

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指板上のフィンガリングはしやすくなるのですが、早い展開を要する楽曲にはテンションがあまりに低すぎる設定は向かないような気がします。

もちろん、弦高が高いことによって、先ほどとは真逆に「フィンガリングしにくい」という弊害も出てくる訳ですが・・・。

では、どのあたりに落としどころを持ってくると弾きやすいのでしょうかという事ですよね。

それは、やはり、楽器のボディシェイプや特性と演奏者のプレイスタイルから分析していくしかないと思うのです。

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1.あまり早いテンポの曲やジャンルはやらない

2.プレイスタイルはスラップやツーフィンガー等のみでピックは使わない

3.どちらかというとスタンダードな楽器が好きだ

4.柔らかいトーンの音が好みだ

5.演奏する(したい)曲はほとんどがBPM150以上だ

6.ピック弾きがメインだ

7.カクカクした変形タイプや個性的なシェイプの楽器が好きだ

8.固い、ゴリっとした音が好みだ

上記の1~4に当てはまる方は、ある程度「弦高を低くしたフィンガリングに重きを置いた」セッティングが向いていると思います。

5~8に当てはまる方はある程度「弦高が高くなってもテンションに重きを置いた」セッティングが向いていると思います。

こういった具合に、プレイスタイル、楽器の好み、サウンドの好み・・・といった要因を組み合わせて楽器のセッティングを考えていくというのが いいのではないかな?と個人的には思います。

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「とにかく低く」

という、低い事が良い事だ!!となってしまうと違和感を感じてしまいます。

それも、主観的な事なわけですが(笑)

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