ここ数か月でしょうか、どういう訳か同じブランドの機種に対してほぼ同じ内容の質問を立て続けに受けております。
「その機種は?」 といいますと
「Musicman / Stingray」
もはや定番中の定番モデルでございます。 発表から30年以上が経過いたしまして、そろそろヴィンテージと呼ばれることも出てきたアクティヴベースの名機でございます。
プロのミュージシャンの使用者も多く、ハイクオリティで堅牢な造りながらハイエンド系のブランドと比べますと比較的リーズナブルな価格帯という事で人気モデルの一つですよね。
そんな、「Musicman / Stingray」に立て続けに頂いたご質問は
「音作りしにくくないですか?」 というものでした。
正直、私は驚きました。
個人的に、Stingrayは守備範囲の広い万能系のベースだと思っていたからでございます。
実は私はかれこれ10年以上、学生時代よりMusicmanのベースを愛用しております。
その理由というのが上記の音作りの幅が広いというものでございました。(ちなみ私が愛用しておりますのは、Stingrayではなく「Sterling」という少し仕様が違うモデルなのですが・・・)
どちらかというと、ファンク、ラウド、ミクスチャー系と呼ばれるバンドの方が使われているイメージが強いからかもしれませんが
「パワーがありすぎて暴れる」 「幅広い音作りは出来ない」
という印象を持たれている方が非常に多いようです。
店頭でそういったお話を聞いていた中で私が気になった所、それは・・・
ほとんどの方が 「実際にはStingrayもしくは、Musicmanのベースを弾いたことが無い」 という事でした。
取り扱っておりますのが中古品という事もあり、在庫が常時ある訳ではないのですが、 お問合せを頂いた時は偶然在庫がございましたので、≪一度是非弾いてみて下さい!≫
とオススメしたところ、サウンドの好みはともあれ、ほぼすべての方が印象を覆されたと仰られておりました。
アクティプサーキット搭載、ハムバッカー、激しいサウンドのミュージシャンが愛用している・・・
というイメージから、ゴリゴリ・パキパキのロックサウンドしか作れないのではないか?と思われているケースが非常に多かったのですが
3バンドEQのTrebleとMiddleを0(センタークリックの位置)~カットの方向(左側)に絞り気味にし、Bassをブーストの方向(右側)に回す様な設定にし、画像「a」の位置ぐらいでツーフィンガーをしたら、すごくウォームでJazzなどでも使えそうなサウンドも作れます。
またイメージ通りにゴリっとしたサウンドが欲しいとなりましたら、いわゆるドンシャリの設定に(TrebleとBassをブーストさせてMiddleを0(センタークリックの位置)~カットの方向(左側))して画像cの位置でスラップをするとかなりばキバキとなってくれます。
そして、何よりフロントピックアップの位置がスペースとなっておりますので指が引っかからず非常にスラップがしやすいのです。(人によっては指が入り込み過ぎてアクションが遅くなると仰られる方もいらっしゃいますが・・・)
続いて、ピックアップに指を乗せて弾くスタイル、画像「b」の位置でフィンガーで弾くとかなりタイトめでアタック感のあるサウンドでピッキングが出来ます。
丁度Jazz bassのリアに指を乗せて弾くのに近い感覚でしょうか。
このテンション感の強いポジションでのピッキングは慣れるまで感覚的に戸惑ったり、指が痛くなったりする事もあるのですが弦振動の反応が早いので指が絡まりにくく(モタりにくく)テンポの速いプレイなどには重宝します。
もちろん、ピック弾きなんかにも非常によく合います。
音作りという面から見ますとやはり、3バンドEQが搭載されているというのが大きいのではないでしょうか。
本体に3バンドEQを載せた仕様を定番化させた功績はこのモデルの偉大な点でもあると思います。
サウンド面だけではなく、メンテナンス面でも扱い易い革新的な機構を搭載しているというのも特筆すべき点でしょう。
デタッチャブルネックのモデルの場合、ネックのトラストロッド調整をする際ネックをボディから外して行わなければいけなかったのですが、このモデルはネックエンド側のダイヤルを専用レンチで回すだけで調整が出来るのです。
これは長年付き合っていく愛器として選ぶ場合、アドバンテージとなるのではないでしょうか。
調整がし易いというのは重要なポイントだと思うのです。
最後に、サウンドというものは突き詰めると「好み」となりますので、どうしても相容れない事もあると思います。
パッシブ系のようなナチュラルなサウンドを求めるとなるとStingrayのようなアクティヴサーキット搭載のモデルはハンデがあるでしょう。
しかし、それで弾かずにイメージだけで片づけてしまうのはもったいないなぁと思うのです。
一度触ってみて、「やっぱり違うわ」というのでもいいと思います。
でも、自分の求めているサウンド、自分が演奏する際に起こる問題を解決するモデルが、実は弾かず嫌いしているモデルだったらもったいないと思うのです。
最後はやっぱり好みだと思いますので、試奏などが出来る環境があれば是非トライしてみて欲しいと思います。
それが、当店Qsicであれば本当に嬉しい限りでございます。
試奏といえば、当店での試奏ですが、今オリジナルシールドで行っております。
当店で拘りオリジナルのケーブル、半田、プラグを選定しより良い音で品定めをして頂こうという試みです。
そのシールドですが、実は数量限定・期間限定価格で販売をしております。
そちらも合わせて気になられましたら店頭でお声掛け下さいませ。
手前味噌ですがよろしくお願いします。
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