「あぁ、これは逆巻きか」
色々な楽器をさわっていると経験する事があると思います。
そこで、何でわざわざ逆巻きにしないといけないのか?という事が気になりました。理由があるのか、無いのか?それも含めて調べてみようと。
ペグの種類、様々ですが・・・大半は反時計回りに回すと「締まる」時計回りに回すと「緩む」タイプです。
通称、逆巻きは反時計回りに回すと「緩む」時計回りに回すと「締まる」訳です。
何もわざわざ色んな種類を作らなくてもネジや時計のように万国共通の向きを決めればいいのにと思っていたのですが、それには理由があるようなのです。
ペグを回すシーンというのは弦を張りかえる時、チューニングを合わせる時でしょうか。
弦を張りかえる時は、机などの安定したところに楽器を固定して行うのであまり感じないかもしれません。しかし、チューニングとなりますとストラップを掛けてか、イスに座って楽器を抱えながら行う事が多いのではないでしょうか?
その際にペグを回すのはどちらの手になるでしょう?人それぞれやり方はありますので一概には申し上げられませんが、左手の方がほとんどだと思います。レフティの方は逆になり右手になるのですが、いずれにしろ利き手ではない方ですよね?
このことから、
「人が力を入れやすい方向に巻けるようにしている」
というのが一説として言われております。
ネジのルールでも、構造上の都合でもなく、人間工学に基づいているという実はすごく計算された理由だったのです。
さて、人間工学といいますと実は色んなブランドが取り入れているのですが有名な所でいいますとWarwickではないでしょうか。
これらのブランドはボディの形状まで科学に基づいて設計されており演奏する際に人間の体に一番フィットしやすい形にボディバックをデザインしているそうです。
それぐらい楽器をストラップでかけた時に体に対してフィットするかどうかというのは重要な項目と言えるのでしょう。
話をペグの方に戻しますと、先ほど例に挙げましたWarwick。
こちらのブランドはペグが下向きに付いています。
それは、ストラップを掛けた時に丁度巻きやすい位置にペグが来るように向きを調整しているのです。本当に計算されたデザインなんだなぁとペグ一つを取っても驚きます。
他にも、弦のテンションを保つために少し変わった位置に設置されるペグや巻き方が4弦だけ逆のモデルなど様々な仕様がありますが、有名なブランドで特徴のあるペグレイアウトといえばMUSICMANでしょうか。
あの独特の3:1レイアウト。
あくまでも通説ですが、フェンダータイプの様に4連レイアウトにした場合、スケールの長いベースでは1弦のチューニングが遠くて大変だったから3:1にしたらしいという話を聞いた事があります。
本当に、様々な仕様やデザインがあるのですが、それぞれにちゃんと理由があったり裏付けられたテクノロジーがあったりとペグ一つをとっても非常に良く考えられているなと改めて感じました。
アンプ・ベース担当 土内(ドナイ)
お気軽にコメントしてください。