先日、お客様とお話をさせていただいていておりました。
通販でご購入されたエフェクターをダンボールから出して弾いてみると、スイッチやジャックに接触不良のような症状が出たそうです。
「あれ?不良品かな?」
と思われたそうなのですが、中古でのご購入という事と通常使用に支障をきたすほどではなかったのでそのままにされていたそうです。
その後2、3日してから再度ご使用されたら、先のような症状が全く出なくなったそうです。
「こういうことってよくあるの?何が原因かわかる?」
と話の流れでご質問を受けました。
現場に居合わせた訳ではございませんし、商品の状態・梱包具合までを拝見したわけではございませんのであくまで推測でとなるのですが・・・
「結露じゃないですか?」
とお答えしました所、非常に驚かれました。
「エフェクターなんかでも、結露の影響あるの?冬じゃなくても結露するの?」
という具合に。
季節も影響はするのですが、何よりも重要なのが「温度差」でございます。
急激な温度の上昇、下降はどちらも機器にはいい影響をもたらしません。
日本で結露といいますと冬の寒い時に部屋を暖房などで温めていると窓に水滴が付いているのを思い浮かべる方が多いかと思います。
そのカラクリはと申しますと、(ご存知の方がほとんどとは存じますが)暖房で暖められた部屋の空気が外気と接している窓の部分で急激に温度を下げられる事により起こる訳でございます。
この状況でございますが、実は配送の際に似た状況が発生しやすいのでございます。
運送会社様がお荷物を運ぶ際、
発送地に荷物を回収しに行き→営業所に持ち帰り→その発送先へと仕分け→目的地に向かって配達される
という流れなのでございますが、この間中、温度変化が立て続けに起こります。
商品特性上、発送地が外ということはほとんど考えられません。となりますと人が過ごしやすい温度に調整されている所でございます。今の季節ですと、お部屋を涼しくしていることが多いでしょう。
そこから今の気温の中を車で運ばれるとなりますと、おのずと温度は上がってしまいます。続いて、営業所などの荷物を仕分ける所に送られると今度はまた屋内でございますので外に比べますと気温が下がります。そしてそこから目的地に運ばれる時は先程も申し上げた通り車になりますので同様の環境変化が起こります。
これだけ温度差が繰り返されますと、内部で結露が起こるケースというのは意外と少なくないのでございます。
「荷物を開けてから数日置いていたら症状が無くなった。」
というのは、
「エフェクターの筐体内の換気が出来たから。」
という風に考えられます。
また、結露の影響としまして、水分が発生するわけでございますので、金属パ-ツにはサビが出る可能性が出て参ります。
となりますと、接触不良を起こす原因となります。
今の季節は、湿度も高く気温も高いので温度が上がりきった部屋で急に空調を入れたりしますと結露が発生しやすくなります。
また、スタジオなどに行く際にも暑い中を移動します。屋外から空調の効いたスタジオなどに入ると同じような現象が起こります。
エフェクターだけなく、アンプにも同じことが起こります。
オープンバックのタイプは内部が外気と直接接しているのでより注意が必要と言われております。
「最近なんだか機材の不調が多いな」
ということがございましたら、気温の急激な変化による影響かもしれません。
温度の変化というのはギターやベースなどの本体だけではなく、機材類にも影響がございます。
常に空調を効かせていい環境を維持するというのも難しい事ではございますが、移動方法や置く場所などを変えるだけでも随分と改善されるかと思いますので、心当たりがある方は試してみてはいかがでしょうか?
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