エフェクターの電源供給、あなたはどちら派?
Qsicの噂を検証シリーズも早くも第三弾。
今回のテーマは、電源供給の仕方でエフェクターの音に違いがあるかを検証してみました。
皆様も「エフェクターの音質は電源で変化する」とか、「電池の方が良い」とか 色々な噂を聞いたことがあるかと思います。
筆者の昔のバンドメンバーにも「絶対電池しか使わない!」ってギタリストがおりましたが
「本当に試した結果そう言ってるのかよ、、、」と疑問に思っていました。
お金が無い、無い、と言いながら電池はかかさずに買っていたので笑
さて、どちらが良いかは人それぞれかもしれませんが 早速検証を見ていきましょう!!
条件
<使用機材>
エレキギター | Fender USA New AM Vin 56 ST |
電池(バッテリー) | DURACELL PROCELL |
ACアダプター | BOSS PSA-100 |
エフェクター(オーバードライブ) | BOSS BD-2 |
エフェクター(ディストーション) | MXR distortion + |
エフェクター(空間系:コーラス) | BOSS CE-5 |
エフェクター(空間系:フェイザー) | MXR phase 90 |
<検証方法>
同じセッティングで電池とアダプターのみを変えたセッティングで出音をチェックする。
それぞれをストローク、アルペジオ奏法にて比較する(計4パターン)。
検証
BOSS BD-2
ACアダプター
電池
まずはオーバードライブの定番、絶妙なクランチサウンドを奏でる「BD-2」から!
ACアダプター使用時はストローク・アルペジオ共にほどよくドライブがかかり ローミドル寄りにシフトしたサウンドです。
対して電池使用時はACアダプターの時よりハイミドルが持ち上がり
出力自体も増している印象でした。
歪み成分は少し抑えられ、特にアルペジオではクリアなサウンドになっていることが
はっきり分かるほど変化しておりました。
特に後半のアルペジオの高域に注意して聴いていただくと アダプターの方がジャリっとしているのが分かるかと思います。
MXR distortion +
ACアダプター
電池
次は、荒くパワフルな歪が人気の「distortion +」です。
ACアダプターでのサウンドは整ったサウンドであるのに対し 電池でのサウンドは荒々しい余韻を残したサウンドとなりました。
また、ACアダプターが音の輪郭がハッキリとしているのに対し
電池はサウンドのレンジが広くなっており
ストローク奏法の際に違いを大きく感じることができました。
音声前半のストローク部分で出力されているサウンドの最低域と
最高域を探すようなイメージで聴いていただけると分かりやすいです。
BOSS CE-5
ACアダプター
電池
続いて空間系。
柔らかくて甘い音色が持ち味の「CE-5」を検証します。
ストロークでは
ACアダプター使用時はほんのりとコーラスがかかった柔らかいサウンドに対し
電池使用時は音色が少しブライトになり、ギター本来の音が前に出て
コーラスのミックス具合が少し抑えられている印象を受けました。
アルペジオでは どちらでもほんのりと揺れるコーラスのエフェクトが感じられますが ストロークと同様、電池使用時はACアダプター時より音色が少しハイよりになっている分 クリーンのギターの音が持ち上がっている印象を受けました。
音声の約30secから最後にかけてのアルペジオを エフェクト音よりも原音を意識しながら比べてみてください!
MXR phase 90
ACアダプター
電池
最後はフェイザーと言えばこれ!「phase 90」です。
アダプターでのサウンドは小さく纏まったうねりであるのに対し
電池では低域から高域まで元気なうねりを出しています。
バッテリーとアダプターで、うねりのスピードが違っており 音声の全編を通してその音の違いを感じていただけるかと思います。
検証も4台目ともなると、音に違いが出ることは薄々分かってきたので(笑) 「どんなss=”k違いが出るんだろう」とワクワクしながら試しましたが 歪み系よりも空間系の方がやや大きな違いが出たように思います。
考察
というのも少し専門的な話になりますが、空間系のエフェクターの方が電流が
4倍~10倍ほど(モノによります)大きいというのも影響しているのかもしれません。
後述しますが、電池の残量が減ってきた時にはさらに大きな違いが出ることは
ご存じの方も多いのではないかと思います。
結論
「エフェクターを買い替える前にお試しあれ」
今回ACアダプターと電池による音の違いを検証してみましたが 「劇的に」という程ではありませんが、ただ確かに違いが出ることが分かりました。
まずACアダプターに関しては全体を通して安定している印象でした。
余計な着色はせず、各エフェクターの特色をそのまま生かしているように感じました。
対して電池は出力が増し、軽い味付けが加えられる印象に。
音自体は元気になりますが、味付けのテイストがエフェクターによっても違い
アダプターと比べると若干キャラクターが変わる感覚もありました。
そう、もちろん電池は消耗品ですので、使えば使うほど出力が下がって音色が変わりますが、今回はACアダプターと電池の比較ということで、消耗した電池は用いませんでした。
また機会があれば、『電池の検証』として
・マンガン電池とアルカリ電池、さらには充電電池
・開封(充電)したてと、一定時間使用した後
など、電池に特化した検証をおこない、同じく音付きで結果をご紹介したいと思います。
皆様もお手持ちのエフェクターに物足りなさや限界を感じた時 新しいエフェクターに手を伸ばすのももちろん選択肢ですが ACアダプターと電池を変えてみる、というのはいかがでしょうか。
それでもダメな時は、ぜひQsicへお越しください!
お探しの音(エフェクター)をご提案させていただきます笑
噂を検証シリーズ
次回は「アンプの『SEND / RETURN』を使うのと、普通にINPUTにつなぐのと 何が、どう違うのか」を検証します。
エフェクターを挟む位置が違うのだから当然音は違う、と一般的に言われておりますが 具体的にどんな違いがあるのか、どのくらいの違いが出るのかを実際に聴き比べてみます。
モノによってはINPUTの方がいい、なんて結果も出るかもしれません。
どんな結果になるか楽しみですね。
皆様も楽しみにお待ちください!
<噂を検証シリーズ>
- 噂を検証 [1] – ネックジョイントのボルトの締め具合で音は変わるか
- 噂を検証 [2] – アコギのブリッジピンの素材で音色に違いは出るか
- 噂を検証 [3] – ACアダプターと電池とでエフェクターの音は変わるか
- 噂を検証 [4] – センドリターン使用 VS インプット直挿し | 音に違いは?