ギタリスト必見!エフェクターの活かし方。

噂を検証シリーズ4 センドリターンとインプットでエフェクターの音は違う?

噂を検証シリーズも早くも第四弾となりました。

今回は、ギタリストにはとても身近な話題ではないでしょうか。
エフェクターを通した音をそのままアンプのインプットにつなぐか、はたまた、エフェクターはアンプのセンドリターンに「かます」か。

センドリターンとは

エフェクトをかけた音をアンプのインプットに直接挿し、ストレートに出力する方法(インサートと呼ばれますが、当サイトではインプット直挿しと表現しています。)に対して、プリアンプとパワーアンプの間でエフェクトをかける方法です。
原音を残しつつエフェクトをかけるレベルを調節できることが特徴で、インプット直挿しでは得られない効果が狙えます。
アンプ自体、つまりアンプのプリアンプで歪ませる場合は、インプット直挿しでは空間系のエフェクトも歪ませてしまうので、センドリターンを使った方が本来の音色が得られるでしょう。
逆に歪み系は、、、以下のコンテンツでお楽しみください。

音に違いが出ることは皆様も想定済みだと思いますが、どのくらい違うのかまた、エフェクターによって違い方に差はあるのかと言った点は興味深いところです。

結果・考察までご覧いただけると今後の音作りの参考になるかもしれません。
ぜひご覧ください。

条件

<使用機材>

エレキギター(ストラト)Fender Japan ST57 LPB
アンプRoland JC-120
エフェクター(ディストーション)BOSS DS-1
エフェクター(空間系:コーラス)BOSS DD-3
エフェクター(空間系:ディレイ)BOSS CE-3

<検証方法>

それぞれのエフェクターをインプットとセンドリターンと両方で演奏・録音し比較する。
アンプのイコライザーは全てフラット(5)で、もちろんアンプの歪みやリバーブは使用しておりません。

アンプのセンドリターン多くのアンプは背面にセンドリターンが設計されております。
今回のJC-120もそうですし、マーシャルのアンプも背面のものが多いですね。
行く先々のスタジオやライブハウスでご確認ください。

ストラト検証に当たっては一般的に普及率が高く、尖った特徴(クセ)のないストラトを選びました。
エフェクターこちらも特に気張らず一般的なものを選びました。
ストラトと同様、手にしたことがある方はおおよその音のイメージもできるのではないかと思います。

さてお待ちかね!さっそく音を解説付きで聞いていきましょう!

検証

【BOSS DS-1】
BOSS DS-1BOSS DS-1
コントロールノブは全てフラット(12時の位置)です。

インプット直挿し

センドリターン使用

【BOSS CE-3】
BOSS CE-3BOSS CE-3
コントロールノブは全てフラットです。
RATE 5
DEPTH 5
STEREO MOODE 「I」

インプット直挿し

センドリターン使用

【BOSS DD-3】
BOSS DD-3BOSS DD-3

コントロールノブは全てフラットです。
E.LEVEL 5
F.BACK 5
D.TIME 5
S.50MSモード

インプット直挿し

センドリターン使用

結果~考察

インプットから繋ぐと混ざり合った感じに、センドリターンを使うとアンプの音とエフェクターの音が別々とは言わないまでもそれぞれがクリアに、はっきりと出るイメージでした。
サウンドで言うならば粒立ちがはっきりする、輪郭がはっきりするという感じでしょうか。

DD-3とCE-3は、センドリターンに入力すると音量やガレージバンド※の波形が変わるほど音質が変化しました(クリアになって各音域がハッキリ出ているのは上記音源でも聞き取れるかと思います)。

※ガレージバンド…アップル社のOS X、iOS用の音楽制作ソフトウェア。DTM。

DS-1に関してもセンドリターンでは音量の点は同じく上がったように感じましたが、アンプの音(クリーン)とエフェクターの音(歪み)が分離して鳴っているような印象を受けました。

個人的には少々迫力に欠けるという印象です。

センドリターンを使うと音質が向上するような先入観がありましたが 実際に聞き比べてみると用途や音色による気がします。

①歪み系のようにサウンドそのものを変化させるような掛け方をするのが目的のエフェクターには向かない。
歪みはそもそもアンプをフル10(フルテン)にすると音が歪む、という音質なので、「アンプから鳴る音と分離してしまう」というのがそもそも狙いから外れるのかもしれません。

②空間系は逆に、アンプから鳴らしたい音とそれに対する効果を狙うという使い方(元音を変えずにリフレインするや、揺らすなど)なのでマッチするのでしょうか。

INPUT側にはブースターや歪み系を、空間系も噛ませたい時はセンドリターンに入れるというのが良い音作りにつながるのではと思います。

また、アンプ(ヘッド部分)とプリアンプ(エフェクター)という考え方をするならば、センドリターン側にプリアンプを入れて音作りをするというのは理に適っていると思われました。
実際、アンプシミュレーターはセンドリターンに繋ぐギタリストも多いと聞きます。

これらの点から、例えばセンドリターンにサンズアンプなどのプリアンプを、インプットにチューブスクリーマーなどの歪みを入れてみると、より幅広い音作りができるかもしれませんね。

結論

「センドリターンと、インプット直挿しでは『明らかな』違いが出ます」

音楽・楽器をしていない人でもはっきりと違いが分かるほどの結果でした。
Qsicなりの考察を書きましたが、アンプやエフェクターによっても違いが出ると思います。
音作りの際に色々な組み合わせを考えてみても楽しいのではないでしょうか。

また、こんなことを知ってしまうと、スタジオやライブハウスでアンプが変わると狙った音が出せない、なんて心配が出てきそうです。
マイアンプ、マイヘッドが欲しくなるのは必然かもしれませんね。

とは言え、センドリターンを使っている人が上級者に多いので 何でもセンドリターンに入れとけばベター!なんて盲目的に信じず 一度は自分の機材で試してみるのが良さそうです。

今回は複数のエフェクターをつないだ検証はおこないませんでしたが 皆さんも興味があれば
・歪みにリバーブをかけた音をインプットにつなぐか
・歪みはインプット、リバーブはセンドリターン
といった組み合わせを比較してみてはいかがでしょうか。

噂を検証シリーズ

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