【Qsicリペアメモ】ギターのナット交換 

はじめまして。
Qsicみのおキューズモール店でギター/ベースのリペアを担当している赤松です。

これから、Qsicでリペアをおこなった楽器や作業内容を、コラム形式でご紹介していきます。
月に1回程度の更新を予定していますので、ぜひお楽しみに!

今回は古いグレコ製ストラトキャスターのナット交換作業をご紹介します。
入荷時にはナット溝がかなり低くなっており交換が必要な状態でした。

ギターの弾きやすさはさまざまな要因で変わりますが、特にフレットとナットの仕上げは非常に重要です。
今回はナット交換の基本的な流れを、画像とともにご紹介します。



今回の個体はメイプルネックで、ナットの縁にも塗装が乗っている仕様です。
そのため、まずはカッターナイフで切り込みを入れ、取り外し時に塗装が割れないように処理をおこないます。


ナットの両側から当て木をあて、ハンマーで軽く叩いて接着剤を剥がします。
※強く叩きすぎると木部が割れる恐れがあるため、「コツッ」と軽く、複数回に分けておこないます。


ナットが動くようになったら、喰い切りで挟んで取り外します。


ナットを外した直後は、スロット内に接着剤の残りなどがあり平面が出ていないため、幅の狭いノミや彫刻刀で丁寧にクリーニングします。


新しいナット材の幅と厚みを合わせ、接着します。
今回はオイル漬けの牛骨ナットを使用しました。


このままでは高さがあるため、溝切り前にナット全体の高さをある程度下げておきます。


弦溝の位置を決め、弦が軽く乗る程度に溝を切ります。


この段階ではまだ溝が浅いため、実際に弦を張りながら高さを確認し、最適な状態に調整していきます。


最終的に溝の調整が完了したら、耐水ペーパーで整え、研磨剤で仕上げて完成です。


ナットの溝の高さが適切でないギターは、特にローポジションでの演奏性に大きく影響します。
リーズナブルな価格帯のギターでも、ナット調整をおこなうだけで驚くほど弾きやすくなるケースは少なくありません。

もし「なんとなく弾きにくい」と感じている場合は、一度楽器店でチェックしてもらうことをおすすめします。


今後も、実際のリペア事例をもとに、演奏性やサウンドを引き出すためのポイントをご紹介していきます。
楽器のコンディションでお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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