【『トランスペアレント系の先駆者』Timmy Overdriveの魅力】 

TS系、Marshall系、ダンブル系など、今では様々な○○系サウンドが生まれてきましたが、ここ数年で台頭してきた○○系というと「トランスペアレント系」が有名な1つかと思います。

トランスペアレントとは「透明な」「透き通った」という意味があり、原音を重視(ギターやアンプの特性を大きく変えない)、ピッキングニュアンスに忠実、歪ませても音の輪郭が分かるクリアな歪みなどを指します。ギターが楽曲を支える要素の1つという立ち位置になることが増した昨今の音楽シーンにおいて、楽曲のバランスを崩さずに表現力や存在感を高めるペダルとして非常に重宝されています。

国内ではVEMURAM Jan Rayをイメージする方も多いと思いますが、今回はトランスペアレント系の土台を作り上げた先駆者として名を馳せるもう一つの名機、Timmy Overdriveを紹介します。

特殊なトーンコントロール

Timmy Tone
Timmy OverdriveはアメリカのブランドPaul Cohcrane(ポールコクレイン)の製品で、アンプデザイナーだったポール氏がアンプの良さを最大限引き出すためのペダルとして誕生します。

特にトーンの反応が特徴的で、BASS/TREBLEともに左に振り切った状態でフラット、右に進めば進むほど音域がカットされていきます。なおかつBASS EQは歪み回路の前段に、TREBLE回路は歪み回路の後段に設置されるプリ&ポストEQコントロールとなっています。オーソドックスな歪みペダルは低音域がこもったり、ノイズが生まれないように、前段階で幾分音域をカットするようになっていますが、Timmyの構造ではその音域を損なうことなく、忠実に原音を引き出してくれます。

Timmyの魅力とは

トーンの上がり方・減り方も非常にナチュラルで、慣れ親しんだギターやアンプとの違和感を覚えることなく、操作できるのもポイントです。味付けとして中央のモードセレクトスイッチで歪みやコンプ感を変えることができますが、大きくキャラを変えずに確かな効果が得られるので、絶妙な塩梅でのサウンドメイクが楽しめます。

「このエフェクターはチューブアンプをブーストさせる用に・・・」という宣伝文句は他のエフェクターでも使うことはありましたが、正直このTimmyの持ち上げ方は別格という印象で、これほど単体ではなく組み合わせて使いたいと思わせるペダルも中々ないと思います。

Timmy
一つ問題をあげるとするならば、サウンドが最高に洗練される分、自身の腕前の重要性を嫌でも感じてしまうところでしょうか。自分も触ってみて最大限使いこなせていない空気を感じましたが、単純なバッキングだけでも心地良いので、どんどん練習をしたくなる意欲も沸かせてくれると思います。

発売以来、世界で絶大な支持を受けるTimmy Overdrive。ローゲイン・トランスペアレント系のペダルとしては間違いなく最高峰のクオリティですので、ぜひ一度触ってみてください!

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