今年もアコースティックギター弾きの皆さんにとっては心配な季節に近づいてまいりました。そう、乾燥の季節です!
私もこの季節になると、店頭の在庫品はもちろん、自身の所有楽器も細かく状態を確認してしまいます。今回は空気が乾燥するとアコースティックギターにどのような変化があるのかをかんたんに紹介させていただきます。
是非参考にして楽器を守ってください!
ネックが反る
これは乾燥だけが原因ではありませんが、湿度が変化するとネックの反りが発生します。一般的には梅雨の時期など、湿度が高いとネックは順反り(弦高が上がる)に、湿度が下がるとネックは逆反り(ローポジションでビビリ)になってしまう傾向にあります(※トラスロッドの仕込み方や木材の繊維の向きで異なることもあります)。放置すると弾きにくいだけでなく、どんどん悪化してしまうので気がついたらすぐに調整してあげましょう!
トップ材が凹む
アコースティックギターは、トップ材が約3mm程度の厚みでできており、内部のブレーシング(力木)で補強をしている、という構造になっています。
濡れた紙が乾燥すると反ってしまうように、アコースティックギターも乾燥するとトップ材が反って凹んでしまうことがあります。
こうなると弦高が下がりすぎてしまい、プレイが困難になってしまうこともありますので、過剰な乾燥に注意しましょう。
サドルの交換で弦高を稼げばひとまず解決しますが、それでも改善が難しいほど凹んでしまった場合は、かなり大掛かりな修理が必要になります。
フレットのバリ
指板には音程を取るためのフレットが打ち込まれていますが、乾燥すると指板の横から少し飛び出してしまうことがあります。これは指板材の水分量がすくなることで、木材が縮み、対して金属のフレットには変化がないため、フレットの長さと指板の幅が不均一になってしまうことで発生します。
軽度のものであれば、若干の引っかかり程度で問題がないこともありますが、ひどいものだとエッジで手を切ってしまうこともあります。
怪我をする前にフレットサイドの処理をしておきましょう。
ボディのクラック<
木材は過度に乾燥するとヒビが入ってしまいます。エレキギターは塗装されていることがほとんどなので、裸の木材と比較すると割れにくくはなっているのですが、アコースティックギターの場合は、内部やブリッジには塗装がされていないことがほとんどです。その為、トップ材、サイド材、バック材を問わず、乾燥が進み、ヒビが入ってしまったものをよく見かけます。
内側にパッチ(補強材)を貼り付けて補強、修理することは可能ですが、美観が損なわれてしまうため、できれば気をつけてあげたいところですね。
対策
乾燥に対して有効な対策はやはり保湿です!(当然ですね笑)
・普段使わないギターはハードケースに保湿剤と一緒に保管しておく。
・スタンドに立てておく場合は、サウンドホールに保湿器具をつける。
・エアコンやヒーターのある部屋には置かない
・定期的な弦交換や指板のケア
これらを気をつけるだけでも乾燥のダメージは大きく軽減できるかと思います。
さいごに
アコースティックギターは、エレキギターやベースよりも注意しなければいけない点が多く少し大変ですが、しっかりと管理をしてあげれば長くお使いいただけます。ぜひ上述の内容に目を通していただいて、お持ちのギターを大事にお使いいただければと思います!
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