流行の最先端”ファン・フレット”の魅力 

近年、NAMM SHOWなどで続々と目新しい仕様の楽器や機材が発表されていますが、そんな中でも特に目立つ『ファン・フレット』という仕様をご存知でしょうか。元々は米国の「NOVAX社」が1980年代後半に特許を取得した技術であり、2009年に特許の期間が終了、各メーカーが早速導入を開始したという経緯があります。

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ファン・フレットでは低音弦側の弦長が長く、高音弦側の弦長が短くなっています。視覚的にはフレットが扇形に広がって見えることからこのような名称となりました。また、スケール(弦長)が複合していることから『マルチ・スケール』とも呼ばれます。

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最近では多くのブランドがこの技術を取り入れており、エレキギターでは「Strandberg」や「Ormsby」、ベースでは「DINGWALL」、アコースティックギターでは「Greenfield Guitars」や「BENETEAU GUITARS」が主流となっています。

演奏感に関しては、最初は若干の違和感があるものの、慣れると通常のものと同じような感覚で演奏することが可能です。低音弦側の弦長が長くなっていることにより、弦のテンション感が増し、音質はクリアになる傾向があります。

多弦ベースや多弦ギターなど、低音弦側のテンションが弱くなりがちなものや、ソロギタリストで変則チューニングを多用される方にとっては絶大な効果を発揮するシステムと言えます。まだ試したことがない方にとっては、目から鱗の『ファン・フレット』。現状ハイエンド系の楽器に多い仕様ですが、今後の技術の向上による一般化に期待が膨らみます。

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